【ARMORED CORE Ⅵ】最強AC乗り、インビンシブル・ラミー様の伝説【二次創作小説】

どうも、書い人（かいと）です。

今回はAC6のディスコードサーバー、有志の集いの合同同人誌（サークル名は、『脳味噌熱暴走』です）にて寄稿した小説（SS、ショートストーリー）2編のうち1編を公開することにしました。

（運営側からは許諾取得済みです。

というか、「もう自由にしていいですよー」って感じでした）

同人誌の方は、素晴らしいイラスト付きでメロンブックス様から発売中ですので、できれば購入していただければ幸いです。

私もまだ届いていないので（注文は確定済み）、楽しみにしていますね。

Contents

1 本編：最強AC乗り（以下略）
2 あとがき

本編：最強AC乗り（以下略）

俺の名前はインビンシブル・ラミー。自分で言うのも何だが、最強で無敵（インビンシブル）のＡＣ乗りだ。住めば都のグリッド０８６で生活している。
アリーナ一位と名声高いフロイトも、俺が起こすトラブルの前にはひざまずいて許しを請うことになるのだろう。実に哀れじゃないか。俺はまさに無敵。
ドーザーの一派、俺の雇い主であるRaDは、コーラルも好きに摂取させてくれるし、気分が少しでも悪くなれば自分の手で解放できる。俺はこれを『コーラルリリース』と呼んでいる。
世界の裏側、どころか、三周くらいはしたかのような酩酊（めいてい）感を得られて最高にハイだ。
この間は、他のドーザーの部隊を始末した。
敵対的なコヨーテスあたりのハッカー的な侵入者かと思ったが、『借金を回収しに来ただけなんだ。許してくれ！』とか、最期の最期まで喚いて連行されていった。
ずいぶんと変わったビジターだ、死んだが。
もしかすると、ドーザーですらなかったのか？
まあいいか。仕事をすれば良いんだろ。客人はもてなすに限る。RaDは来るものは拒まない。それがモットーらしいからな。せいぜい歓迎してやろう。
しかし、ボスが無分別に市場に流した兵装のせいで、最近は頻繁に防衛作戦が起きてやがる。
作戦のたびに報酬は入るから、まあ良いんだが。
変形するダンゴムシみてーな、数だけは多いコヨーテス軍団を華麗に始末した。
今回の防衛作戦で破損したパーツは、コーラルをキメ過ぎたRaDの整備士のせいだと主張していたら、チャティに声だけで怒られてきた。
整備士を何発かぶん殴っただけだが、あのチャティからは「次になにかあったら、ボスに直接通告する」とこっちを責めてきやがった。
なんかあいつは、無機質で苦手だ。機械かよ。

さて、不甲斐ない軽ＭＴ連中がやられている。
ＡＣだと？　面倒だな、独立傭兵らしいが……。
地獄の番犬のケルベロスがよろしく、俺の乗るＡＣ、『マッドスタンプ』が起動する。
ゆうゆうと地面を蹴って浮遊し、気持ち五割増しでチェーンソーが唸（うな）る。
はは、もやし見てえな二脚のＡＣじゃねえか。カラーリングは真っ黒。喪服のつもりか？
これからは、お前の葬式だってのに。
接近し、チェーンソーに巻き込んだ上、特殊なRaD製ショットガン（的な何か）で蜂の巣にする。
これで終わりだ。
……しかし、悪くはない動きだ。突進を見極められたのか、軽く回避される。
――そろそろ、全力で行くぜ？
「クソッ……ビジターにしちゃあ、やるな」
一〇連斉射×二されたミサイルが、このマッドスタンプを高速で追い回すものの、華麗に全て回避する。パイロットの俺様は、いつだって優雅だ。
ＡＰはなぜかだいぶ減っているが、数値上のエラーだろう。
またしても、整備士を叱っておく必要があるな。
相手の他の武器は、マシンガンにパルスブレード。
雑魚だな。
常に、俺のチェーンソーからは怯えるように、距離を置いてくる。
敵の独立傭兵が、恐怖の感情に支配されているのが手に取れる。
残念なやつだ。さっきから散弾は大きく回避されるわ、チェーンソーは空振るわで――む、機体が動かん。
スタッガー？　ミサイルとマシンガンを喰らいすぎた……って、お前、なんでそんなに近づいてんだ？　敵ＡＣの左腕に、青色の光が点く。
パルスブレード？
え？
……そんな！！
「おっ俺のマッドスタンプがあっー！？」
燃えていく景色の中で、ああこれは夢だな、と確信したね。俺が負けるとか、あり得ないだろう？
なぜかまた、コーラルが欲しくなった。
俺は無敵なんだ。今までも、負けたことはない。
これからも、負けることはないだろう。