まえがき
どうも、書い人(かいと)です。
今回はタイトル通り、AC6、序盤の難関ミッションの一つ、『壁越え』を2000字弱の短編小説形式でお送りしたいと思います!!
私は現在、AC6の同人誌サークルに参加しており、他の短編を3本ほど書いています。
もしサークル運営さまが今年の冬コミ(コミックマーケット)に通ったら、そこで同人誌が出ることになります。
私の小説以外にもいろいろと収録した、ファン愛てんこ盛りの同人誌になる予定です。
もし通ったら、本当によろしくお願いしますね(基本的に採算度外視です、こういうものは。
そういうものらしいですね。
でも、AC6そのものも、『作りたいから作った』らしいのですよね……^^)。
壁越え(本編)
レイヴンーー強化人間C4―621は、軽量二脚を駆り、巨大建造物の存在する戦線へと向かっていた。武装はマシンガン、パルスブレード。両肩部には、それぞれ8連ミサイルランチャーを装備していた。
巨大建造物――『壁』の上部に、重装機動砲台『ジャガーノート』の姿が見えた。
名前の通り、遠距離から砲撃を仕掛けてきている。
ジャガーノートは今回の依頼の、最優先排除対象(プライマリ・ターゲット)。
直撃すれば、ひとたまりもない砲撃が降ってくる。星外企業、『ベイラム』の部隊もこれにやられたのだろう。
街区の内外を繋ぐ『壁』は、ルビコン解放戦線が拠点化した、交易上の要衝の通称だ。多数の砲台とMT部隊により、防衛ラインを形成。
新物質コーラルを巡り、解放戦線と敵対する各企業にとってはなるほど、目障りこの上ない『壁』ということだ。
今回の依頼を寄越した星外企業、『アーキバスグループ』本社が抱えるAC部隊、『ヴェスパー部隊』。
その第二隊長、スネイルの態度を計算に入れると、捨て駒にされる可能性は否定できない。
無論、犬死にするつもりなど、毛頭なかったが。
雇用主、ハンドラー・ウォルターが連絡を寄越す。
ブリーフィングよりも詳細な現状より、壁上からの砲撃は遮蔽を上手く使え、と。
そして、街区への進行を阻むガトリング砲台、そしてルビコン解放戦線とも関わりの深いBAWS(ボウズ)の四脚型MTを倒し、壁内から壁上部のジャガーノートの排除に移る、そういう手はずだ。
ガトリング砲台の正面装甲は堅牢で、周辺には戦闘用MTも配備されていた。が、すぐにこれを沈黙させ、先へと進む。
『壁』は、近い。目前だ。
「『灰かぶりて、我らあり!』」解放戦線の決まり文句が叫ばれ、「死ね! 独立傭兵!」と、罵声が飛ぶ。
この戦線の裏手では、ヴェスパー部隊の第4隊長が戦闘を開始したようだ。戦線は混沌、そしてこちらやアーキバスの優位に進んでいる。
四脚MTの攻撃は苛烈だった。なんとか回避し、装甲(アーマー)への被弾を避けて動く。
そして、垂直8連ミサイルの一斉射とパルスブレードでこれを粉砕する。
炎上していく四脚MTのコックピット内では、断末魔がこだましているのかもしれない。
大きな脅威は去った。文字通り『内壁』へと侵入を仕掛ける。
電力網はそのまま生きており、内壁の抵抗もごく僅かなものだった。
友軍から、通信が入る。ヴェスパー部隊第4隊長、すなわちⅤ.Ⅳ(ヴェスパー・フォー)。若い男の声で、ラスティと名乗っていた。どうやら、敵戦力の抵抗が少ないのは、このラスティのおかげらしかった。
問題はやはり、ジャガーノートか。
621のACを載せたリフトが上がっていく。
『壁』上部にたどり着き、門のようなドアが上へとせり上がり開かれていく。
すぐさま、ACが右手から現れた。こちらと同じく、一見すると、逆関節に見える二脚だ。
もっとも、これは友軍。
「君がレイヴンか」
こちらの素性を知っているかのような言葉を紡いでいたが、疑問に思う余地はなかった。
彼こそがラスティ。
「ともに壁越えといこうじゃないか」
どうやら、ジャガーノート攻略戦で鉢合わせーーいや、共闘となったようだ。
ジャガーノートは、鉄骨などの金属を容易く粉砕しながら、こちらへと進撃、突進してくる。
うかうかしていると、ラスティもこちらも、その巨体や砲撃の餌食だろう。
撹乱ーーラスティ、彼は自ら、囮役(おとりやく)を引き受けてくれた。彼の駆るAC『スティールヘイズ』は、高速機動向きのACとのことだが、速度ならこちらも負けてはいない。
ジャガーノートの正面装甲はおそらく、その堅さからこちらの攻撃を受け付けてくれない。
ならば、頭上や側面、および真後ろになんとしてでも喰らいつき、致命打を与えるのみだ。
装甲の薄い部分へ幾ばくかの被弾。それをジャガーノートが経験したところで、僚機たるラスティ、スティールヘイズは離脱した。
こちらを褒める余裕すらも見せていたラスティだったが、例のスネイルからの指示で、敵の増援の排除へと向かったのだ。
撒き散らされる地雷に触れないように注意しつつ、ジャガーノートの砲撃と、巨体に任せた突進という名の質量攻撃を避ける。敵砲台には、確実にACS(姿勢制御システム)への負荷を加えていく。
被弾に次ぐ被弾。ジャガーノート、負荷限界を突破。
スタッガー発生。
完全にバランスを崩した機動砲台の真後ろに、621は陣取る。
砲台の四連式ブースターに向けて、パルスブレードの二段斬り、追加の垂直発射式ミサイルが着弾し、ジャガーノートは完全に沈黙。
あれほど堅かった装甲と、『壁』は陥落(かんらく)したのだ。
「壁越えは成功だ。621」
ハンドラー・ウォルターの冷静な声が、621に届けられる。
手に汗か、それとも余裕があったのかはわからない。
ラスティの素性、こちらの偽りの素性、どれくらいが知られているのか、経緯は。
謎は残るが、ウォルターは織り込み済みだと言った。
その後、ラスティが個人的に寄越したメッセージによれば、やはり621はアーキバスに取っての捨て駒だったらしい。
ウォルターの面目を潰し、そしてアーキバスは基盤たる威光を、より確固たるものとする。
陰謀、というほどでもないが、そういう筋書きはあったようだ。
もっとも、そんなシナリオに乗ってやるほど、彼らは柔(ヤワ)ではなかった。
仮にも、猟犬の飼い主(ハンドラー)。
仮にも、独立傭兵が生きているのだから。
この先も、まだーー
了
あとがき
くぅ~疲(略
自分で収録した動画を確認しながら、2時間ほどぶっ続けで書きました。
私は17年ほど、アマチュア作家(未だにプロを目指していたり、いなかったり。Web小説家でも良いような気がしていますね……)をしているので、本当の執筆時間は17年と2時間、かもしれませんけどね!^^
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ありがとうございました!!