※執筆者名(敬称略):冬滝
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はじめに。
今回はスポンサー様からのご依頼で
ITRST(アイトラスト)というC3ワームホール・ヌル宙域で活動していた
零細企業が破壊されていく一部始終を書いた
「かいしゃのこわしかた!!!」シリーズを再編した記事です。
せっかくなので、新情報をチラチラ出しながら書きなおそうと思います。
ここ2年くらい擦り続け、恐らくもうみんな飽きているネタですが、
この失敗記事から学べる事が多いらしいのでリクエスト頂きました。
学べることがあるのかは分かりませんが、
まずは時系列順に、最後に何がダメだったかのまとめをしようと思います。
今回もお金貰っているのでしっかりやります。
長くなりますが、お付き合いの程よろしくお願いいたします。
社長 赤字経営の零細企業を幹部社員に預ける。
時は戻り2021年10月初め、「社長のリアルが忙しくなるから」という理由で
幹部社員2名がCEO代理にさせられてしまいます。
その内の1人が私でした。入社100日目の出来事です。
経営は厳しく、もちろん赤字。
・RAT艦の有料貸し出し
・ルート品の買い取り
・弾薬の製造販売
などしていましたが、そんなもの焼け石に水。
経営は悪化するばかりでした。
そんな中、なんとか面白く社員から金を巻き上げられないかと
会社の税率を決闘で決める税金決闘大会のシステムを作り、運用してみると
意外にもうまくいき経営が段々と安定していきました。
社長 有料ゲームを社員に配り始める
などなどEVEを頑張っているCEO代理の横で
なんと社長が
「社員に3000円位の有料ゲームを配布し
一緒にEVEのVCチャンネルで遊び始める」
という奇行に走り出します。
それも、配布したゲームを一日中やっているではありませんか。
ちなみに私には買ってもらえませんでした。
EVEのコミュニティーだったはすなのに、
「EVEってつまんないじゃん」と呪文のように唱えながら
EVEのVCチャンネルで配布したゲームを遊び始める社長。
リアルが忙しいから他人にCEO任せたのでは…?
EVEの話をしたくて会社に入社したワイ無事ブチギレます。
EVEの会社が暇であれば…それでもよかったんですが…
会社が所属していたアライアンスが解散。
RAZOR Allianceに吸収合併されてしまいました。
この影響で
会社の活動拠点がC3ワームホールからヌルへ移動する事に。
社長がRAZOR側と交渉してくれているのはありがたかったですが、
無理難題を幹部社員へ投げる投げる…
C3ワームホール位ならどうにかなってきた会社も、
ヌルへ行くとなるとヒトもモノもカネも何もかもが足りない。
何よりスキルが足りない。
スキルが足りないとRAT効率が悪いのは勿論、
αキャラではT2ドクトリン艦に乗れない。
ヌルへ行くと「派兵ノルマ」が毎月課せられるので
最優先でドクトリンスキルを取らなければならない。
WHの戦闘サイトを回るスキルでRATしても効率が悪く
ステージングで売っている船も弾薬もジタに比べて高価なので
ずーっと貧乏のまま。
唯一襲撃型戦艦に乗れる社長は社員を連れて配ったゲームばかりしている。
やっぱ、つれぇわ……
社長 会社で勝手な事しだす
・・・・?
社長はどんな勝手をしたのか。
なんとなく「会社の議事録を全消去する」
こいつ嫌いだから「執行部全員で決めた約束事を破る」
なんとなく「告知無しで設定していた予定日を早める」
……。
私も、ある程度の勝手は良いと思うんです。
でもいくら自分の会社だからって個人コーポじゃないんだから、
やって良い事と悪い事があると思うんです。
私はTwitterで発狂し、この段階で会社から逃げる事を考えますが…。
Twitterの皆さんに心配と慰めの言葉を頂き、
とりあえずは頑張って会社を守っていく事にします。
社長 誰にも相談せずに月を借りる
21年11月22日未明、唐突に月掘りの権利が入ってきました。
わが社には採掘できる人間がいません。
終わりの始まりです。
確かに社長は口頭で「月借りたい」とは言ってましたが、
場所、日時、どうやって掘るかなどの具体的な話は一切なく、
議事録は消去されていたので存在しない状況でした。
私は、コレをどうするつもりなのか。
アキネーターのように様々な質問をしました。
その結果、
現在は税金決闘システムを始め、様々な取り決めを守れば
黒字経営できているのに、漠然と赤字だと思っていた。
ちょうど採掘アップデートで採掘のシステムが大きく変わる事を知らずに
お金が無いから月掘りで即金を作るという認識だった。
社員にドクトリンスキル取ってもらっているのに、
1から採掘のスキルを取らせようとしていた。
…。……。…………。
ヌルの採掘、幹部社員の取り組み、何より振り回されてる社員を舐め腐っている事がよく分かる、率直に言ってあまりにも頭の悪い考えが飛び出し
これを実現しようとするのはあまりに無謀じゃないかと考え込んでいた所
「私が無気力状態のため代理を任せては居ますが、決定及び外交は私が引き続き行っています。民主主義はめんどくさいので(」11月22日21時
とチャットされてしまい、もう無理だ逃げようと決意します。
冬滝 電撃的逃走
決意してしまえば早いもので、
先ほどのチャットを見た瞬間にヌルの資産を整理・処分し始めました。
偶然にもWHを使えばアマーまで6ジャンプだったので、コンパクトな貴重品は持ち出せました。が、基本的にはステージングで叩き売りしました。
まだ社員が使えるT1ドクトリン艦やRAT艦は処理に悩みましたが、
過去に要らなくなったRAT艦を会社で買い取らせた事を思い出し
代理CEO権限を使って買い取らせたりもしました。
最後に本当に逃げても良いものか少し悩みましたが、数時間寝ても、
朝日を浴びながら軽くウォーキングしても結論は全く変わりません。
薄っぺらくなってしまった会社の議事録に
頭の悪い独裁者にはついていけません。今までありがとうございました。
と一言書き、逃げ切りました。
あのチャットから数えて
資産整理に3時間。睡眠時間等あわせて約9時間で成し遂げた夜逃げでした。
社員 逃げる
私は、私1人が逃げても会社的に全く問題ないと思っていました。
黒字経営にしましたし、面白いイベントもあります。
そして何より社長がEVE復帰宣言もしてやる気になっていたからです。
(Twitterで復帰宣言するのもおかしい話ではあるが。)
だからこそ、
他の社員も使えるRAT艦やドクトリン艦などを会社に買わせました。
しかし、11月23日の朝に私が「会社から逃げる宣言」をしてから
社内が一気にざわつき始めます。
私は即座にdiscordの権限が剥奪されたので、見る事はできませんでしたが
社長が
「fuyutakiはTwitterうるさくされて迷惑だった」
「いなくなってくれて清々した」などと議事録で発言。
これを見た幹部が社長と大喧嘩。
最終的に
「執行部に権限を与えすぎたから悪いんだ。社長は俺だ。権限を見直す。」
と発言し、
最初は数か月様子を見ようかなと思っていたメインメンバーも
全員逃走準備に入ります。
このタイミングで何故か会社の金庫に多額のお金が入っていたので、
その金で全員のヌルの資産を現金化させ、ヌルから脱出したのでした。
俺が抜けて「清々した」と言い、これから独裁を始めようとした社長の姿に、社員たちは余りにもショックを受け、
全員で会社に辞表を叩きつけた時は
皆とても楽しそうだったのを今でも覚えています。
社長「全部冬滝のせい」EVEゲーム外で騒ぐ
この約3日間で行われた全社員脱出劇を
何故か「冬滝の計画的なクーデターだ」と断定した社長。
様々な手段を使って
「冬滝とその仲間たちにコープシーフされた」
「クーデターを起こされて困っている」等、多方面に訴え出ながら
EVE復帰宣言から24時間経たずに会社の閉鎖をTwitterで宣言。
そして、#evejapanを付けてTwitterPvPをしている所を冬滝が発見。
何故か私は当時、社長からTwitterをブロックされていたので
ココまでに何が行われているのか把握するのに時間を要しましたが
ひょっとすると私以外の社員も矢面に立たされるんじゃないか?
「これはどうにかしなければ…」と考え、
釈明ブログを考え始めたのがすべての始まりでした。
対ありでした。
全員逃げてから少し経った頃…
社長とたまたまITRSTのチャットチャンネルでバッタリと鉢合わせ。
そこで忌憚なく様々な話をし、
社長は今回の一連の事件が計画性のない逃走だとここで把握。
そして、
この会社は孤独に耐えかねてコンセプト無く作った事、
当初戦闘は考えてなかった事などを初めて聞きました。
最後は社員の皆も基本的には許される形に落ち着き、
私も円満に、そして単純にまた遊びたかったので誘ってみたのですが…。
冬滝「会社のやり方で亀裂が入っただけで、
人間的には全然嫌いじゃない!また遊ぼ!!」
↓
社長「(;´Д`)」
↓
冬滝「絶対俺の事恨んでるでしょ…コワイ…」
↓
社長「(;´Д`)」
冬滝以外は明確に許される形で落としどころが固まり、この話も終了。
感想としては、長い長いジェットコースターに乗っていたみたいで
とっても楽しかったです。
時系列編の最後に私は、
EVEの会社を破壊しただけで「EVE詳しいわけではない」ので
そこは強く主張してまとめを終了します。
感想戦
なぜ会社が閉鎖したのか、結論。
-
「会社の実態の把握不足」
-
「社員の要望の把握不足」
-
「社員への連絡、相談の不足」
これらが重なり合って起こった人災でした。
1.会社の実態の把握不足
そもそも、この会社の歯車はかみ合っていませんでした。
社長が行う「生産での儲け」を会社の運営資金にしていたのに、
会社の募集文が「PVP活動」を売りにした文章になっており、
募集文で集まった「生産」をしない人間が
「生産で生計を立てている会社」に入ってしまったからです。
入社当時は些細な問題だと思っていましたが、
最後までここの認識のズレが社長・執行部の間で問題になっていきました。
何故かみ合わない募集文を出したのか。
それは、募集文を生産系にする事によって
「採掘や生産をするだけで人間を撃ちたくない人のみが集まる」
この状況を忌避したためでした。
しかしこれは、
「採掘や生産をする人間」に「人を殺す悦び」を経験者が教えられない
という問題であり
ITRSTという会社の性質上「生産」「採掘」する人間は絶対に必要でした。
2.社員の要望の把握不足
私は幸運にもある程度のスキルポイントがあり、
ヌルに行く事になっても一通りの活動ができました。
しかし、他の社員はどうかというと、戦艦に乗れてもプラクシスのみ。
採掘もベンチャーのみなど、本当にほぼ何も出来ない人がかなりいました。
ヌルの生活に慣れず、
最短距離でジタに行こうとして敵対組織に撃ち落とされたり。
アライアンスドクトリンのために、
自分の取りたいスキルを我慢させて2か月埋めてもらったり。
そんなゲームが面白い訳ありません。
背伸びした遊び方が悪い訳ではないのですが、
ある程度全社員が楽しめる環境づくりは必要です。
「ヌルに来るのか来ないのかの交渉がとても急かされていた」
会社が閉鎖してから聞きましたが、
会社の転換点だからこそ社員ひとりひとりの状態を見るべきでした。
3.社員への連絡、相談の不足
さて、
このままの認識で社員全員が連絡、相談を密にせず
「会社のために」行動したらどうなるでしょうか。
答えは空中分解です。
四肢がそれぞれの方向に引っ張られ爆散します。
社長は会社のために「生産」を初め、
私は会社のために「PVP」を初め、
社員もそれぞれ「出来る事」を始めます。
会社の方向性が決まらないまま、
社長の「会社のための」決断によって私が会社から逃げ、
その後ボロボロと崩れてしまいました。
ITRSTという会社がPVP分野を後回しにし
採掘・生産をメインにする工業系の会社だったら…
きっと成功していたと思います。
4.人間性
せっかく再編の機会に恵まれたので、
最後に何か付け加えるとしたら…と考えましたが、
やはり人間性なのではないでしょうか。
そもそも、EVEがつまらないからって、面白くしようとせずに
3000円位するマルチゲーを配り始めちゃダメです。社長なら尚更です。
誘う位なら良いと思いますが…。
立場が上の人に買ってもらったゲームなんて嫌でもやらざるを得ません。
そんな事も分からない奴が社長やっちゃダメだと思います。
そして、
会社を作った人間だとしても、その会社は1人の物ではありません。
勿論、社員も物ではありませんし、会社資産も個人の物ではありません。
寂しいならFF14やってればいいんです。
EVEはそれなりに筋道立ててやっていかないと組織運営はできないです。
ここら辺を曖昧にしたまま、漠然と大きくなろうとするのは
やはり無理があったろうと思います。
あとはその人のカリスマ性とか、人間味とかになってくるんですかね。
この人ならやってしまいそうと思われて、実際にやってしまうとか。
しょうがないな~って言って周りが頑張ってくれる人間関係とか。
真面目な記事で
「対ありでした。」とか書いちゃう私には一切縁の無い話ですけどね。
おわりに
お付き合いいただいた皆様へ。
短編小説レベルの文字数を読んで頂きありがとうございました。
散々擦ったネタの総集編です。お楽しみいただけたでしょうか。
この崩壊騒動から2年経ち、去年にはACC首を切られ、
それでもまだEVEを続けている変人ではございますが、
残念ながら2025年の春まではΩが続いてしまっている状況であります。
せめてこのΩタイマー分は私の立ち上げた獄門会や、
その他の場所で活動していきたいと思いますので、
EVEのゲーム内は勿論、Twitterや私のnote等
いっぱい絡んで頂けるととても嬉しいです。
スポンサー様へ。
思ったよりも同系統の別記事みたいになれたかな?
「元々のコピペでも大丈夫。全部まとまった奴がいいです」
みたいなオーダーだったけど、
せっかく新しく記事が載るなら全部作り直したいんだな。
という訳で、時間もかかったし思った倍くらいの文章量になったけど、
まぁ、今回の記事でいつもの字数制限だと辛いから許して…。
また何かあったらリクエストして欲しいです!
期待に添えられるか分からないけど!!
ありがとうございました!
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