Spicy World

【Spicy World】魔法の図書館【オリジナル小説】

まえがき

どうも、書い人(かいと)です。

神の次に頭が良い存在とも言われた、天才的なライアン様の出番です。

マジック・ライブラリアン

「ライアンの頭は、まるで図書館だな。聞けば何でも出てくる……」
そう言ったのは優等生として名前が通る、長身の青年だった。もっとも、ライアン本人は不動の最優秀の学生だったのだが。
「実際は編纂室(へんさんしつ)だね。
知識を蒐集(しゅうしゅう)して、理論を把握・編纂する。
あとは正しさを実戦で確かめてみるだけだ。
ここで試すには危険なものもあるけどね……」
「やれやれ。
お前が居なきゃ、今年の最優等学生は俺だったのに」
苦笑しながら、ライアンは口を開く。
「事実だろうね。
君は二番目。
普通なら、一番だ。僕は当面、大学の歴代一位の座を破られないだろうから」
少しだけ自慢げに、ライアンは笑ってみせた。
「うわ、慰めているのかとんでもない嫌味なのか、わからねえ……」
「まあ僕は、この知識を悪いようには使わない。そういう風に、自分の心と信じる神に誓っているからね。
生活ができるお金と、読書・勉強・研究。それがあれば名誉だって要らないんだ」
「本の虫!!
そりゃあ、俺では勝てないわけだ!!」
優等生のその彼は、お手上げをして歩いていった。

そろそろ『王立大学』の卒業式が始まるのだ。

ライアンたちが所属している国は、この大陸を大きく二分する国家の片方である通称名、『王国』だった。
もう半分近く、片方の国家は通称名で、『騎士団諸国家』という大国になる。
『騎士団諸国家』の持つ、最大の学校である『アデルノーツ魔法学校』。それと対を為すように存在するのが、ライアンたちが在籍し、そして巣立っていくことになる『王立大学』だった。
卒業生には様々な進路がある。
今年の、そしておそらくは当面の間は最優等生(本人談)のライアンには、本当に様々な道が用意されていた。
「戦争には参加したくありません。
ですが、それ以外で最も大変そうな試練を、私にください」
卒業式の後、ライアンは白い髭(ひげ)を蓄えた校長や、進路先に詳しい相談係である初老の教授に相談を兼ねてそう言った。
「最も大変な試練か。
ライアン、お主なら解決できそうな探求(クエスト)がある」
「校長、まさか……」
進路相談を行う教授は、校長に対して、やや狼狽した声で制止するような声を出したが、
「いやいや、ライアンのことは良く知っている。
今までの課題と同様に、問題なく完璧にやり遂げるだろうよ、とは」
「……魔法の図書館、ですね」
「ああ。彼に、司書をしてもらう。
まさしく『マジック・ライブラリアン』だ」
ライアンには見当もつかなかったが、なにか面白い計画が進んでいるのだろう、そう推測していた。

ライアンは王国の首都――王都の駅を発(た)ち、蒸気機関列車に揺られて線路に乗って進み、そして辺境の廃村(はいそん)のように潰れ、厳重に封鎖された廃墟(はいきょ)の町へと辿り着いた。
「ここが『魔法の図書館(マジック・ライブラリアン)』の、町か」
『魔法の図書館』の訳としては誤った言葉だが、通称に文句を垂れてもしょうがないだろう。
町だった残骸は、棘(とげ)が大量に付いた金属ワイヤー、有刺鉄線(ゆうしてっせん)付きのバリケードで封鎖され、侵入を阻害(そがい)している。
さらに、守衛の兵士が厳重な体制で管理しており、部外者は簡単に排除されてしまうことだろう。
正門の守衛に片手を上げて近づき、声が十分に届く程度の距離になってから、
「こんにちは」
ライアンは無害さをなるべくアピールして、頭を下げて挨拶(あいさつ)をした。
「君が、王立大学から派遣されたライアンか。
やはり、若いな」
年配にあたる、守衛の兵士の一人がそう言った。
「契約書はここにあります。
侵入許可をください」
バリケードを強引に突破しても、次は、さらに強力なほぼ不可視(ふかし)の魔法障壁が展開されている。
常人が無理によじ登っても、ただ物理的に、弾き飛ばされるだけだ。
年配の守衛――おそらくは現場責任者なのだろう――が、ライアン本人に王立大学・校長、『図書館』、その管理当局の人間など、複数人の署名と捺印(なついん)がされた魔導契約書を確認し、正門前のバリケードのある部分に契約書面を触れるように押し当てた。
確認が終了し、魔法の図書館を覆う、半球(ドーム)状の魔法の障壁が一時的に解除された。
「ありがとうございます。
図書館へは、正門から入れば良いのですね?」
「……だが、大変に危険だ。
あの災厄以降と今日に至るまで、勝手に侵入した輩は何人か居るようだが、生還率は〇(ゼロ)だ。私が知る限りはな」
「ふむ。厄介ですねえ」
ライアンの声音、言葉は、その内容とは裏腹に、愉快さすらあった。
その目には期待や希望が浮かんでいる。
困難な試練が来ることを心底、楽しんでいるのだ。
「……。
案内しよう」
守衛二人と、ライアンの計三名がゆっくりと歩調を合わせて、城ほどではないが大きな邸宅――大屋敷の魔法の図書館、その大きな扉の正面近くへと辿り着いた。
守衛は二人とも、不吉な建物に近づきたくないのか、まだだいぶ距離はあったのだが、足は止まっている。
年配の守衛が、最終確認の代わりに声をかけた。
「侵入に鍵は必要ないが、生還して戻って来られた者は、未だに居ないのだ。
一度侵入すれば、おそらくは、簡単に出られなくなる可能性が高い」
「……理解しました」
ライアンはその場で、自身の右手を下に、左手を上に交差するようにして重ねた。
「しばらく、離れていてください」
重ねた手の先からは、灼熱(しゃくねつ)が灯る。
「補助道具もなしに、その魔法を!?」
もう少しで中年に差し掛かかろうとしている、屈強そうな守衛の兵士が驚きの言葉を発する。
年配の兵士も、息を呑む。
「威力が想定できたのか。優秀だな」
ライアンは表情を変えずに述懐する。ライアンにとって、初対面の人間にその能力の高さを驚かれるのは大変よくあることで、おおむね『飽き』の領域に達している。
彼が使う魔法は、『ドラゴン・ブレス』という『火炎放射』の攻性魔法。
本来は、それ相応の準備が必要な魔法のはずだった。
通常は、炎を専門とする術者――魔法使いが二人以上は必要になるはずの、強力極まりない、軍隊同士の戦闘・戦争などで使用される魔法になる。
多少、発動を楽にしようと思うのなら、ドラゴンや炎魔(えんま)系クリーチャーと契約して使用時に同効果の魔法を呼び出す、あるいは魔導の力を媒介(ばいかい)させ、魔力供給を円滑にする触媒(カタリスト)系の魔導具の類を使うなどが挙げられる。
つまり、単騎で呼び出すなどまず考えられない魔法のはずなのだ。
それを、ライアンはいとも簡単に展開、発動させた。
地獄の業火が、忌(い)まれるべき図書館の正門入り口に、着弾する。
そこらの金属なら、数秒程度で溶かすはずの超高温。灼熱の火炎放射は、しかし建物の前でその魔法効果が減少。さらに、消滅させられていく。
「無駄だろうな。
自律防御の魔法が働いている。図書館だけに、賢いのだ」
ライアンによる火炎放射が完全に終わるのを待ってから、年配の兵士が口を開いてそう言った。
魔法効果の完全な消滅が確認された。
周囲への輻射(ふくしゃ)・放射熱が去るのを待ってから、ライアンは後ろを振り返り、守衛の二人に頭を下げる。
「それでは、
行ってきます」
かろうじて、若い方の守衛が言葉を紡ぐ。
「お気をつけて……!」
年配の守衛は、最後に「幸運を」と、そう言ってくれた。
ドアにははじめから火炎などかかっておらず、熱さも何もなく開くことができた。
自動で閉まっていく正門のドアを放置し、彼は魔法の図書館(マジック・ライブラリアン)への探索を開始した。

『魔法の図書館』に入り、ドアが閉まる。と同時に、本来は登山用の装備で身を固めたライ
アンは、その空間に激しい違和感を覚えた。場所は、広間となっている玄関だった。豪奢(ごうしゃ)な邸宅だが、造りは実直に見えた。
肌がピリピリ、いやヒリヒリとする。膨大な魔力が出現した証拠だ。
ライアンはそこかしこに座標を指定して、試しに弱めの精霊魔法を周囲にばらまくが、炎が、氷が、雷の火花(スパーク)が、赤子の手を捻(ひね)るがごとく消滅した。
台風の前には、そよ風などは発生しようとしてもかき消える、それと同じ理屈の現象だろう。
ライアンの周囲、あるいは建物の内部の一部または全域で、膨大な量の霊的なエネルギーの干渉――魔力干渉が起こっているのだ。
玄関がまるで、透き通った紅茶にミルクを入れたかのような雰囲気になり、塗り潰される。
空間が、移り変わっていくようだった。
「動力源――いや、それよりも」、身の安全か。
自身の安全を最優先して、取れるだけの魔力防護策を周囲から足の下に至るまで展開する。
魔力干渉の圧は全域に及ぶが、ライアンの周囲だけを守るだけなら、防御結界(ぼうぎょけっかい)等をまともに展開する程度は可能だった。
これだけ大規模な魔力を生み出す魔力・動力源の所在は確認したい。しかし、普通に考えてみれば一番奥深くの部屋や、その他の隠し部屋にでもあることだろう。ライアン自身が設計者なら、間違いなくそうするからだ。
誰かが侵入し、玄関のドアが閉まれば作動する罠、といったところだろう。邸宅の外側には、外部から侵入できそうな窓もなかったし、厳重な自動結界も常時、稼働していた。
初手は譲ってしまったが、それでも今のところは、特に負ける理由がない。
「灯(とも)れ。
我が下僕(しもべ)たちよ」
ライアンは精霊魔法を応用し、独自の研究を用いて開発した、『シャイニング・フォロワー』を斜め前方・後方に四つ、ぷかぷかと浮遊させて展開する。
『シャイニング・フォロワー』は、ライアンの手足の延長となる、重要な魔法の一つだ。
見た目は、数十センチメートルほどで、強い光を放つ球体になる。
感覚器官はないものの、照明と攻防の役割を持った亜生物(あせいぶつ)・魔導反応体(まどうはんのうたい)になる。管理や維持に困難さが伴い、実用性を保つにはライアンのような先天的に恵まれた魔法の才能に加え、相応の鍛錬が必要になる。
まだ世間に普及しているものではないし、一般の人々にまで浸透させるには、まだライアンの感覚でも二段階かその辺り、クリアしなくてはならない課題があると見積もっていた。
輝くフォロワーを展開し、強い光に目を慣らしていった。
周囲を照らしたライアンの目には、驚きがあった。
「ここは、本物の図書室。いや、図書館か」
ライアンの眼の前には、大量の書架、本棚が並べられていた。軽い運動競技ならできてしまいそうな空間にずらりと本棚があり、さらにそれぞれの本棚にも、もちろん本が詰まっていた。
「随分な蒐集癖(しゅうしゅうへき)だ。王立大学より凄いかもしれない」
中には読み方も分からない、捻じくれている言語で書かれた本。複雑な仕組みでできている、いわゆる『漢字(カンジ)』というやつだろう――の本が存在した。
また罠があるとも限らないので、書籍の大群には、簡単には触らない。興味はあったが……、現在の居場所の安全を確認してからでも、遅くはないだろう。
見知った本がないかを探してみるのも、まあ悪くない。

ライアンは図書館を歩き、違和感が響き渡るとでもいうべき、この館の正体を調べていく。
『魔法の図書館』の主(あるじ)が今回の災厄を引き起こしたそうだが、結局、行方不明とされている。
危険を察知して逃げ出したか、館の中に囚われてしまったか。まあ、もうまともな生き方はできていないだろう。
資産家だった館の主は、知性に関する蒐集癖を大変強く持っており、一つの図書館を個人で独占して所有していた。
資産の一部は『魔法使い同盟(マジック・ライブラリアン)』に流れていたという。
魔法使い同盟。通称、ライブラリアンは、大陸を超えた全世界に蜘蛛(くも)の巣状の連絡・情報網を持つ、特殊だが強靭(きょうじん)な組織だ。
なにかと迫害されがちな魔法使いや、なにをしでかすかわからないとも言われる錬金術師などを庇護下(ひごか)に置き、たまに飛躍した技術革新などにより、人類に莫大な利益をもたらしている。
館の引き起こした災厄は、ライブラリアンの跳躍した技術により、ある種の異世界、異次元と呼ばれる場所から召喚(しょうかん)された純粋な魔法生物による被害だった。
その存在は、破滅の魔物、『DOOMS(ドゥームズ)』と呼ばれている。
DOOMSの扱う魔法――『滅法(めっぽう)魔法』の解析は、まだまだ途中。
応用ができるのは世界に僅(わず)かしかいない。ライアンとか。
DOOMSは、無限に近い魔力でできており、ライアンの見立てでは常に異世界の魔力源から供給を受けているのではないか? 生ける魔法そのものなのでは? と仮説を立てていた。
では、無制限の威力で魔法を行使できるのか? というと、否。
例えるなら、容量が無制限の貯水池、貯水タンクがあったとしても、取り出すための管(ホース)が細ければ一度に扱える魔法には限度がある、というわけだ。
そのため、一体のDOOMSが一度に行使できる魔力には限度があるのだろう。
それがライアンの見立て、仮説だ。
その制約と、駆け付けた『王国』の兵士の尽力・犠牲のおかげで、世界は蹂躙(じゅうりん)されずに済んだのではないか――と、思っている。
部屋の空間中で、魔力が暴れ狂っていることを除けば(除いていいことなのか、とは思うが、ライアンにとっては些末な程度の問題だった)、不気味なほどの静謐(せいひつ)さが、その場を支配している。

(そろそろ、見知った本が出てきても、おかしくないな)
本棚にある蔵書が、見知った言語に近くなってきた。ある程度は意味を推測(すいそく)、あるいはまともに理解できる背表紙等も見えてきた。
何らかの誘導かもしれないが、理解できない本に囲まれているよりは安心する。
『出口』、と。
ご丁寧にそう、上のプレートに書かれている、開きっぱなしの扉(ドア)が、やや開けた空間にあった。
「わかりやすい罠だな」
ライアンは感想と共に、四つある光球のうち一つを索敵用に展開し、ドアの近くを調べだした。

指示通り、ふわふわと『シャイニング・フォロワー』の光球が飛んで行き、魔力を周辺に走らせる。
「魔力に対しての魔力反応は、部屋全体以外には変化なし、か」
常に気を張っていないと、ライアンの魔力が部屋全体を構成する魔力反応にかき消されてしまうのが厄介だった。意外と、神経を削ってくる。
そして、このまま進むのは、なんとなく気乗りしない。
ライアンは、光球に注入する魔力量を上げ、その質量(重さ)を増大させ、運動競技のように球を転がしていった。
「当たりだ」
転がった光球は、出口のすぐ手前で突然空いた床の穴に、吸い込まれるように落ちていった。
「『フォロワー』の反応が弱まった。
人間だったら……死んでいるな」
床に空いた穴を見ると、白骨化した死体が複数、あまり数えたくはないので一瞥(いちべつ)するに留めたが――まあ、とにかくこの落とし穴の罠に殺されたようだ。
穴はかなり深い。
嵌(はま)った者の死因はおそらくは餓死、あるいは飢えや乾きの苦しみから逃れるべく、自ら死を決めたか。
ただの空き巣や、不法侵入者が受けるには、重する罰に決まっている。
しばしの間だけ、黙祷(もくとう)し、右手で十字を切るライアンだった。
落下したフォロワーを再浮遊させ、落とし穴の罠から離脱させ、今度は出口の先に向かわせてみるのだが……、一瞬でフォロワーが消失する。
消えてしまったはずのフォロワーの魔力反応は、ライアンのだいぶ後方から、感じ取ることができた。
「どこへ……最初の位置か!!」
一瞬だけ、迷い、そして同時に気が付く。
ライアンの、数百メートルほど後方。
侵入した最初に、玄関にて空間が変異した後、『図書館』に切り替わった、最初・開始位置と全く同じ場所に、フォロワーが返送されていたのである。
「厳密には違うが、空間移動(テレポート)か」
フォロワーが一瞬で転移したのではなく、循環(ループ)する構造に異界化(いかいか)した、ある種の特殊な空間に繋がれていると、そう考えるべきなのだろう。
落とし穴に、初期の配置位置への強制移動・リセットという、二段仕込みの罠は把握した。問題は、どう突破するかだ。
強引な魔力で押し切る手が一番簡単そうだが、失敗した時の空間の魔力反応が予想できないことになりそうなので、それは最後の手段として取っておくことにした。
この異空間を維持するためには、膨大な魔力の供給が必要なはずだが、何年も放置されてきた
なんの点検(メンテナンス)もなしに稼働し続けるなどあり得るのだろうか?
侵入者が現れたときにだけ、稼働する仕組み(システム)のようだが、それにしても奇妙な話だった。
「急がば回れだ。始めから解析し直してみるか」
魔法の図書館の全貌(ぜんぼう)を探るため、ライアンは思考を深めていく。

『出口』、と堂々と書かれているから見逃しがちになるが、果たしてここが本当に出口なのか? ともライアンは思った。
そもそも部屋の出口を抜けられたとしても、この建物の外に出られるわけでは無いはずだろう。
別の出口などがあるのか、本当に閉じ込めただけでは芸が無いはずだろう、とは思う。
魔力結界をライアン自身が身の回りに貼り付けるようにして展開し、いよいよライアンは、出口の後ろを向いて、山海(さんかい)のような本棚へと向かった。
出口からもっとも近い場所では、見知った本もあった。
王国や騎士団諸国家の言語で書かれた、有名な著作を手にとってみる。
罠やなんらかの仕掛けは、今のところはない。時限式で何かが作動する可能性もあるだろうが、無視する。

「……読書の時間にするか」

ライアンにとってはこの程度、危機や苦難でも何でもないのだ。

あとがき

『あれ? これで終わり!?』と思った方は正常です、すみません。

実際には今後の展開で続きなどを小出しにしていくのが、本作『魔法の図書館』の物語になります。

メタ的にな話をすれば、作者が書くためのきっかけ的な話、ですね。

今後、作者の書い人(かいと)がまとめきれたら、中編前後の物語としてリライトまたはリメイクしたいな……。

実際、アイデアが出しきれず、続きが書けない、

けれど、他の話を書くうちに自然と書けるようになっていた……ということは多いです。

Web小説家にしかできない荒業(あらわざ)ですが、ブログ内小説として載せないのもまあ、もったいなかったんですよね。

以上、「あとがき」という名の言い訳でした。

『シャイニング・フォロワー』の設定

術者にもよるが、例えば、ライアン自身は最大一〇〇個ほどを多重展開できる(その後の消耗を考えなければ、の話ですが)。

そもそも、このような高度な魔法を常時、多重展開できるライアンの方がおかしい。

まともな鍛錬を終えてから、『シャイニング・フォロワー』を高度かつ専門的に扱うための訓練をさらに積んで、一つ使いこなせれば御の字。

慣れてくれば二、三個を同時に維持できれば優秀ですね、といったハイレベルな魔法(精霊魔法の相当に高度というか、はっきり言って超高度な応用例、の一種)です。

簡易な説明しかできませんが、フォロワーの自律機動には二進法が使われています。

……察しが良いようで。

ライアン、頭おかしい。

小話(こばなし)

ちなみに召喚口上(しょうかんこうじょう)的なアレは、

SF・ロボットアニメ『アルドノア・ゼロ(EP11『ノヴォスタリスクの攻防-Wind, Snow and Stars-』)』に登場するザーツバルム伯爵の台詞、

「殲滅(せんめつ)せよ、我が下僕(しもべ)たちよ!」(ミサイルランチャーの、一斉発射)

から来ています(笑)。

『アルドノア・ゼロ』はカッコ良いし、楽しいし、ギミックやテクノロジー的なアイデアは、私の創作においても、大変に役立っています。

有料の動画配信サービスなどで視聴してみるのも良いでしょう。

私は、今のところはdアニメストアで視聴しています。

別に宣伝ではないです。

(配信の終了で見れなくなる場合もあります。もし、そうなっていたらすみません)。

 

ありがとうございました!!

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